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セイレーンは語る(2) [セイレーンは語る]

1.発端(続き)

ブライアンはさりげなく僕を釣り上げにかかった。彼は自分を信頼させ、僕の好奇心を刺激し、褒め言葉を浴びせ、じっくり話を聞いてくれた。そんなふうにしてもらったのは、それが初めてだった。彼は僕から夢や希望を聞き出し、コブラ・ビデオで自分と仕事をすればそれを実現できると言って、その方法を示した。当初、ジェイクはブライアンに、僕は10月末で18歳になる(本当は17歳)と言っていた。ブライアンの興味をつなぎとめるためだ。ブライアンに僕を見せびらかすことはジェイクにとって、モデル(訳注2)に応募して不採用にされたことへの仕返しだった。それに、僕はある意味で、ジェイクがそのうちコブラ作品に出演させてもらえるという保証でもあった。ジェイクは僕に、[年齢詐称など]大したことじゃない、と言った。誰もトラブルに巻き込まれたりしない、未成年で働くなんてこの業界ではよくあることだ、と。それどころか、大抵はプロデューサーが書類を偽造したり改竄したりして、モデルが都合のいいことを言えるようにしてやるんだ — 彼はそう言った。僕は彼に言いくるめられて、自分は18歳だという証明書類さえ用意さすれば問題ないと思い込んだ。
訳注2:アダルトビデオの出演者のこと。

ブライアンは僕との接触を絶やさなかった。それはほとんど日課になり、最初に紹介されたときから、僕が本当の年齢を彼に正式に告知するまで続いた。2004年1月までに、僕は彼に言われてキャスティング・テープ2本とプライベート・ウェブカム・ショー1本を送っていた。彼は僕のカメラ写りを見たいと言って、わざわざ自分のビデオカメラを国の反対側から送ってきた。でも、僕の身分証を入手する努力はまったくしなかった。
(続く)

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